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『RUN+TRAIL 別冊 TRAILHEAD 軽量登山最前線 私たちが恐れているクマについて。』 ✍ クマ被害が日本列島に遍く広がりを見せる中、雑誌『TRAILHEAD 軽量登山最前線』が価値ある別冊を出した。ほぼ丸々一冊クマを扱っている。本州に生息するツキノワグマを長年研究してきた米田一彦先生が、生々しい写真とともに、あっと驚くクマの話をこれでもかと披露する。「アーバンベア」というワードをご存知だろうか。昨今急増する、町の近くに棲みつくクマのこと。その実態は記事で確認してほしいが、私たちが想像する以上にクマは近くにいる。なぜ近年、クマは町に頻出するのか? 「森で餌が取れないせいだろう」と素人は決めつけるが、話はそう単純ではない。管理人が驚いたのは、子連れの母グマがオスの大グマを恐れ、町に逃げ出す例の多いこと。クマにとってもクマはコワイのだ。この別冊、とにかく情報量が多い。過去から現在に至るクマ出現の変遷や未来予想、クマに出逢わないための方法とグッズも掲載する。もちろん、出逢ってしまった場合の撃退法も! クマと闘って生還したユーチューバーの体験記も興味深い。管理人が最も怖かったのは、これまで3000回以上クマと遭遇し9度も命の危険に逢った米田先生が、怖くて絶対に入りたくないと語る最恐スポットの話。ともかく山に入る人は、生存率を上げるためにも絶対読んでおきたい別冊だ。
量子の時代が今年始まる >>>『ニューズウィーク日本版 9月8日号』✍ 昨年、誕生から100年目を迎えた量子力学は今もすこぶる健在。そんな大理論の❝子ども❞ともいえる量子コンピュータが今年、「現実的な計算問題」において従来のコンピュータ性能を上回るのでは、とウワサされている。そのことを表現したのが「量子優位性」というワード。現実的な計算問題とは、大まかに、スーパーコンピュータを含む従来の古典コンピュータとの性能比較がきちんとできる問題を指す。量子コンピュータが本当にスパコンより優れているのか、白黒つけようということなのだろう。そもそも量子力学は、電子のような粒子が野球のボールのようには運動しないことを明らかにした。ざっくり言うと電子は「2つの場所(状態)に同時にいられる」。量子コンピュータは、この❝非常識な性質❞を使ったコンピュータであり、計算問題によってはこの性質が破壊的な威力を見せる。ともかく今年、量子優位性を示したとする発表が相次いでいるという(量子優位性が達成されたかどうかは現時点で未確認)。詳しくは記事を参照してほしいが、どれもマーベラスな内容と結果に見える。今後の進展が気になるが、記事中に出てくる科学者の言葉「(重要なのは)2頭の馬を一緒に駆って、どこまで遠くへいけるか」に、この闘いの未来が集約されていると感じるのは管理人だけ? (野暮ですが、古典と量子を2頭の馬にたとえています)。
愛♥日本美術の超名品100 >>>『和樂 2026年10・11月号』✍ 雑誌『和樂』が、このたび創刊25周年を迎えた。おめでとうございます! 雑誌運営の厳しさは言わずもがな。けれど、こうしてずっと荒波を越え続けている存在があることには敬意しかない。この記念すべき号の特集のテーマは「愛♥日本美術の超名品100」。絵画・仏像・工藝・建築・考古というカテゴリーから100点を厳選する。誌面で目にするものも多いが、どれもじかにお目に掛かれる機会はなかなかない逸品ぞろい。と思っていたら、最近訪れた京都・東寺の不動明王像と帝釈天半跏像(どちらも国宝)のお姿が! 観たばかりだから、やけに嬉しい。東寺といえば国宝の五重塔だが、薬師三尊などが鎮座する金堂も国宝。超名品に選出された上記二像は重文(重要文化財)の講堂に安置されている(特集ではこうした建物は選外)。どちらの堂内も薄暗く、金堂に足を踏み入れたときは一瞬何があるのかわからなかった。目が慣れるにつれ、天井に届かんばかりの薬師如来が徐々にその姿を現されたときは思わず、ゾクッ。これが畏敬の念というものか。特集の冒頭を飾った伊藤若冲作品への解説がしみる。美術史家の山下裕二氏によるものだが、敬虔な仏教徒だった若冲の自然に対する畏敬の念が作品に宿り、私たち日本人の意識に伝わっているのかも、という内容。「草木国土悉皆成仏」(草木や大地にも仏性は宿る)という仏教思想と、日本古来のアニミズム(万物に霊魂が宿る)が絶妙に合わさり、私たちの畏れ敬う心は育まれたのかもしれぬ。そういえば昔、梅原猛氏の著作にも同様のことが書いてあったような。そんなことに気づかせてくれた雑誌『和樂』に感謝。何より、先人の技に感謝。
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